茨城県近代美術館:千波湖畔に佇む、横山大観の故郷の洋画と日本画の殿堂

茨城県近代美術館:千波湖畔に佇む、横山大観の故郷の洋画と日本画の殿堂

美術館

水戸市の千波湖のほとりに建つ茨城県近代美術館。日本画の巨匠・横山大観や下村観山をはじめ、クリムトやモネなど、茨城ゆかりのアートと世界の近代美術を収蔵。

はじめに:水と緑のオアシス・千波湖に調和する端正な建築

水戸市の観光名所である千波湖(せんばこ)の南岸に建つ茨城県近代美術館は、1988年に開館しました。建築家・吉村順三の設計による建物は、水戸の美しい自然景観を借景とし、落ち着いたブラウンの外壁と周囲の緑が見事な一体感を醸し出しています。

時代背景:近代日本画のゆりかご・五浦(いづら)の遺産

明治後期、岡倉天心は横山大観、下村観山、菱田春草らを率いて、茨城県北部の太平洋を望む「五浦」に日本美術院を移転させ、新しい日本画の創造(「朦朧体」の実験など)に挑みました。当館はこの近代日本画の歴史的運動の遺産を受け継ぎ、日本美術の歴史を一望できる作品群を保護・展示しています。

3つの見どころ

  • 近代日本画コレクション: 横山大観「流燈」や下村観山など、五浦の作家たちの息づかいを感じる日本画の名品。
  • 西洋の近代洋画: モネやルノワールなどの西洋近代絵画と、水戸出身の洋画家・中村彝の作品。敷地内には東京・下落合にあった中村彝のアトリエも復元されています。
  • 吉村順三のディテール: 自然光を美しく取り入れ、歩きやすさを徹底追求した心地よい展示室の設計。

鑑賞のコツ

鑑賞後は、美術館から歩いてすぐの千波湖畔の遊歩道を散策し、偕楽園(日本三名園の1つ)を遠くに望みながら風を感じるのが、水戸の定番かつ最高のアート散策コースです。

施設情報・アクセス

  • 住所: 〒310-0851 茨城県水戸市千波町東久保666-1
  • アクセス: JR「水戸駅」南口より徒歩約20分、またはバスで「近代美術館前」下車
  • 開館時間: 9:30~17:00(入館は16:30まで)
  • 休館日: 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
  • 公式サイト: 茨城県近代美術館

豆知識

姉妹館として、岡倉天心ゆかりの地・北茨城市に「茨城県天心記念五浦美術館」があります。千波湖畔の遊歩道は偕楽園方面までつながっており、水戸の梅の季節はとりわけ気持ちのよい散策コースです。