奈良県立美術館:奈良公園の一角で、大和路の美術と現代アートに出会う

奈良県立美術館:奈良公園の一角で、大和路の美術と現代アートに出会う

美術館

奈良国立博物館にほど近い、奈良公園の一角に1973年開館。大和路にゆかりのある日本画・洋画から、現代美術まで幅広いジャンルの企画展を開催する県立美術館。

はじめに:古都の公園に建つ、もう一つの美術拠点

奈良県立美術館は、鹿が遊ぶ奈良公園の西端、奈良県庁のすぐ隣に1973年(昭和48年)3月に開館した美術館です。風俗史研究家であり日本画家でもあった吉川観方が集めた江戸時代の絵画・浮世絵・工芸・風俗資料が寄贈されたことを機に生まれました。仏像や古美術を中心とする奈良国立博物館とは対照的に、日本画・洋画・工芸から現代美術まで幅広いジャンルを扱う企画展を開催し、古都・奈良における近現代美術の受け皿としての役割を担っています。

コレクションと時代背景:古美術の街に、近現代美術の風を

開館の契機となった吉川観方コレクションに続いて、由良コレクション、大橋コレクションなどがまとまって寄贈され、現在の所蔵品は鎌倉時代から現代までの絵画・工芸・彫刻・書跡・風俗資料など4,600点を超えます。仏教美術や古代の文化財のイメージが強い奈良にあって、当館は大和路にゆかりのある日本画家・洋画家の作品や、浮世絵、写真、工芸まで幅広く収集・紹介してきました。奈良県安堵町に生まれた陶芸家・富本憲吉ら、この土地に深い縁を持つ近代の作家の作品も収集の柱のひとつです。年に4本程度の展覧会を軸に、古都という土地柄にとどまらない多様な美術表現との出会いの場を提供しています。

3つの見どころ

吉川観方コレクションと江戸の風俗

開館の出発点となったコレクションには、江戸時代の絵画や浮世絵に加え、衣装や装身具といった風俗資料も含まれます。絵画としてだけでなく、当時の暮らしを伝える資料として眺められるのが面白いところです。

浮世絵と、奈良ゆかりの近代作家

浮世絵版画のまとまった所蔵があり、企画展で公開される機会があります。富本憲吉の陶芸をはじめ、大和路の風土や仏教文化に着想を得た近代の日本画・洋画も、テーマ展のたびに顔ぶれを変えて登場します。

奈良公園散策との相性

近鉄奈良駅から徒歩5分ほどという立地で、奈良国立博物館や東大寺、興福寺など周辺の古社寺とあわせて一日かけて巡ることができます。奈良県庁のすぐ隣という中心部にありながら、観光客の流れからは少し外れているため、比較的落ち着いて作品と向き合えるのもうれしいところです。年に数回の展示替えにともなう休館期間があるため、訪問前に会期を確認しておくと安心です。

施設情報・アクセス

住所: 〒630-8213 奈良県奈良市登大路町10-6

アクセス: 近鉄奈良線「近鉄奈良駅」1番出口より東へ徒歩約5分

開館時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)

休館日: 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替え期間

観覧料: コレクション展は大人400円、高校・大学生250円、小・中学生150円。特別展・企画展は展覧会ごとに料金が異なります。