『フェルメール 光の王国』:生物学者が旅した、フェルメール全点踏破の記録
「生命とは何か」を問う生物学者・福岡伸一が、世界に散らばるフェルメール作品を訪ね歩く紀行エッセイ。科学者の眼が捉えた「光の画家」の秘密が刺激的な一冊です。
はじめに:科学者はフェルメールをこう見る
『フェルメール 光の王国』(福岡伸一 著)は、ベストセラー『生物と無生物のあいだ』で知られる生物学者が、世界中に散らばるヨハネス・フェルメールの全作品を訪ね歩いた紀行エッセイです。デルフト、アムステルダム、ニューヨーク、ワシントン。「フェルメール・ブルー」の輝きを追う旅は、科学と芸術が響き合う知的冒険になっています。
この本の3つの見どころ(読みどころ)
1. 「光の画家」を科学の眼で解剖する
カメラ・オブスクュラ使用説、顕微鏡学者レーウェンフックとの同時代性。17世紀デルフトで「見ること」の革命が同時多発していたという視点は、科学者ならではの説得力があります。
2. 全点踏破という旅のロマン
現存30数点しかないフェルメール作品を、一点ずつ現地で見る。美術ファンなら誰もが夢見る旅を追体験でき、各美術館の空気感まで伝わってきます。
3. 美しい文章
科学エッセイの名手として知られる著者の筆致は、それ自体が澄んだ光のよう。「動的平衡」の生命観とフェルメールの静謐な画面が重なる瞬間は、本書の白眉です。
この本を読んだ後の、おすすめのアクション
「牛乳を注ぐ女」の一点鑑賞を: フェルメール作品が来日する展覧会は常に大混雑ですが、それでも一度は実物を。青と黄色の対比、窓からの光の粒子を自分の眼で確かめてください。
まとめ
『フェルメール 光の王国』は、一人の画家を「巡礼」する楽しみを教えてくれる一冊です。旅行好き、科学好きの人にこそ薦めたい美術書です。
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