『今日の芸術』:岡本太郎が突きつける「うまくあってはならない」という爆弾

『今日の芸術』:岡本太郎が突きつける「うまくあってはならない」という爆弾

「芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない。」1954年刊行、今なお読者の常識を爆破し続ける岡本太郎の芸術論の古典です。

はじめに:70年前に書かれた、永遠に新しい挑発

『今日の芸術 時代を創造するものは誰か』(岡本太郎 著)は、「太陽の塔」の芸術家が1954年に世に問うた芸術論です。「芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」。この有名なテーゼは、発表から70年を経た今も、読む者の「いい絵」の基準を根底から揺さぶります。

この本の3つの見どころ(読みどころ)

1. 三つの「あってはならない」の真意

うまさ・きれいさ・心地よさは過去の価値の再生産にすぎない。誰の心にもある創造の衝動を解放せよという主張は、芸術論であると同時に強烈な人生論です。

2. 「芸術は爆発だ」の思想的背景

晩年の流行語の源流にある、パリで縄文土器の美とピカソに衝撃を受けた岡本太郎の思想遍歴が、平易な言葉で展開されます。難解さは一切ありません。

3. 見る側への檄文

本書の矛先は作り手だけでなく、「わからないから」と現代美術を敬遠する鑑賞者にも向きます。わからないものに出会ったときこそ、自分が試されている——。美術館での態度が変わる一撃です。

この本を読んだ後の、おすすめのアクション

岡本太郎の実物と対峙する: 川崎市岡本太郎美術館、青山の岡本太郎記念館、そして大阪の太陽の塔。本書を読んでから対面する太郎作品は、まさに「爆発」です。

まとめ

『今日の芸術』は、アートを「教養」ではなく「生き方」の問題として突きつけてくる古典です。何かを表現したいすべての人の背中を蹴飛ばしてくれます。