UBE現代日本彫刻展:世界で最も歴史ある野外彫刻の国際コンクール

UBE現代日本彫刻展:世界で最も歴史ある野外彫刻の国際コンクール

芸術祭
開催時期3年に1度(旧UBEビエンナーレ)3年に1度。2027年展の会期は2027年10月24日〜2028年5月7日と発表されている

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1961年に始まった宇部市の野外彫刻展(旧UBEビエンナーレ)。ときわ公園の緑の丘に大型彫刻が並ぶ、彫刻ファン必見のコンクール形式の芸術祭です。

はじめに:炭鉱のまちが生んだ「彫刻のまち」

UBE現代日本彫刻展(旧UBEビエンナーレ)は、山口県宇部市で1961年から続く野外彫刻の国際コンクールです。2024年3月には「最も長く続いている野外彫刻展」としてギネス世界記録に認定されました。炭鉱で栄えた工業都市が「緑と花と彫刻のまち」へ生まれ変わる原動力となり、会場のときわ公園には歴代の受賞作が常設され、まち全体にも約200点の彫刻が点在しています。

成り立ち:市民運動から始まった彫刻展

戦後の宇部市は、石炭産業がもたらす煤煙に悩まされていました。そこで市民が始めたのが「緑化運動」「花いっぱい運動」であり、その延長として「宇部を彫刻で飾る運動」が広がります。1961年の「宇部市野外彫刻展」は、その市民運動を受けて開かれたものでした。行政の文化事業として上から始まったのではなく、まちを美しくしたいという住民の願いから生まれた——これが60年以上続いた理由でもあります。2025年からは名称を「UBE現代日本彫刻展」に改め、開催間隔も3年に1度へと変わりました。

絶対に知っておきたい!3つの見どころ

1. コンクールならではの真剣勝負

全国・海外から応募された計画案(マケット)による一次審査を経て、選ばれた作家が実物の大型彫刻を制作し、現地で最終審査に臨みます。「次代の彫刻」が生まれる瞬間に立ち会える、他の芸術祭にはない緊張感があります。大賞(宇部市賞)などの受賞作は宇部市が買い上げ、市内に永続的に設置されるのが慣例です。

2. ときわ公園の彫刻の丘

湖と緑に囲まれたときわ公園の丘に、巨大な鉄やステンレスの彫刻が空を切り取るように並びます。園内には「緑と花と彫刻の博物館(ときわミュージアム)」やときわ湖水ホールアートギャラリーもあり、屋内展示と野外展示を行き来しながら鑑賞できます。散歩やピクニックと一緒に楽しめるのも野外彫刻展ならではです。

3. まちに残り続ける作品

受賞作の多くは宇部のまちに設置され、60年分の現代彫刻史が街角に蓄積されています。市役所前や海岸通り、学校の校庭にまで彫刻が立つ光景は他所ではまず見られません。彫刻を探しながらのまち歩きもおすすめです。会期の有無にかかわらず、宇部という都市そのものが巨大な彫刻公園として機能しているのです。

鑑賞のヒント

ときわ公園の野外彫刻は年間を通して自由に見学でき、会期外に訪れても十分に楽しめるのがこの彫刻展の強みです。公園は動物園や植物館も併設した広大な総合公園なので、園内を歩くだけで半日ほど。市内の野外彫刻まで巡るなら、レンタカーか自転車があると効率的です。宇部市が発行する彫刻マップを手に入れておくと迷いません。

開催概要

  • 開催地: 山口県宇部市・ときわ公園を中心に、市内各所
  • 主な会場: ときわ公園の彫刻の丘、ときわミュージアム(緑と花と彫刻の博物館)、ときわ湖水ホールアートギャラリー
  • 開催ペース: 3年に1度(ビエンナーレからトリエンナーレへ移行)
  • 開催時期: 次回「UBE現代日本彫刻展2027」は2027年10月24日〜2028年5月7日の予定
  • アクセス: JR宇部線「常盤」駅から徒歩約15分、または宇部新川駅からバス。山口宇部空港から車で約15分
  • 主催: 宇部市(観光スポーツ文化部 文化振興課 彫刻係)

まとめ

UBE現代日本彫刻展は、日本の野外彫刻の歴史そのものといえる存在です。イサム・ノグチ庭園美術館や彫刻の森美術館が好きな人なら、この土地の蓄積の厚さにきっと驚くはずです。会期に合わせて訪れれば新作が生まれる現場に立ち会えますし、そうでない時期でも歴代の受賞作がまちのあちこちで待っています。彫刻がまちを変えた60年の物語を、ぜひ現地で体感してください。