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韓国に生まれ日本で「もの派」を理論的に支え、いまや世界の主要美術館が個展を開く李禹煥。石と鉄板を対峙させる「関係項」と、一筆の点や線が生む余白の絵画をたどります。
絵師を志して家出同然に上京した笠間の娘は、日本人初のイコン(聖像画)画家となりました。明治の女性が海を渡り、信仰と芸術のはざまで筆を執り続けた、知られざる情熱の生涯です。
夏目漱石『吾輩は猫である』の装丁家として出発し、浮世絵の伝統に西洋の写実を融合させた橋口五葉。代表作「髪梳ける女」は大正の新版画美人画の頂点です。41歳の早すぎる死が惜しまれます。
モネもセザンヌもゴーギャンも、みなピサロに助けられました。印象派展全8回すべてに参加した唯一の画家にして、若い才能を育てた「印象派の長老」の温かい画業をたどります。
モネらと並ぶ印象派創設メンバーでありながら、生前ほとんど評価されなかったシスレー。セーヌ河畔の空と水を描き続けたその画業は「もっとも純粋な印象派」と呼ばれます。
リトアニアのユダヤ人村から無一文でパリへ。スーティンは風景も静物も人物も、絵の具の渦の中でのたうつように描きました。モディリアーニが愛した、エコール・ド・パリで最も激しい画家です。
画家シュザンヌ・ヴァラドンの私生児として生まれ、アルコール依存の治療として絵を始めたユトリロ。漆喰の壁の白が滲む「白の時代」のモンマルトル風景は、エコール・ド・パリの哀愁そのものです。
白い地に黒い正方形だけ——1915年の「黒の正方形」は、何も再現しない純粋な絵画の誕生でした。ロシア・アヴァンギャルドの頂点に立ち、抽象絵画の極限を切り拓いた革命家です。
「絵画とは本質的に、ある秩序のもとに集められた色彩に覆われた平面である」。20歳でこの宣言を書いたドニは、ナビ派の理論的支柱にして、優しい宗教画を描いた「美しきイコンのナビ」でした。
母の仕立て屋の仕事場、ランプの灯る居間。ヴュイヤールは壁紙や布地の模様と人物が溶け合う小さな室内画で、「アンティミスム(親密派)」と呼ばれる独自の世界を築きました。
食卓、浴室、窓辺の光。ボナールは何気ない日常を、とろけるような色彩の楽園に変えました。浮世絵に学んだ大胆な構図から「日本かぶれのナビ」と呼ばれた、ナビ派を代表する色彩の魔術師です。
「出現」のサロメで世紀末の想像力を決定づけたモロー。宝石をちりばめたような濃密な神話画は象徴主義の頂点であり、マティスやルオーを育てた教師としても美術史に名を残します。
バルビゾン派の長老格として自然を見つめ、印象派の若者たちを優しく導いたコロー。朝もやに包まれたような銀灰色の風景画は「風景画のモーツァルト」と称えられ、日本でも長く愛されてきました。
1960年代末の日本で、石、木、鉄板、紙などの「もの」をほぼ加工せずに提示する作家たちが現れました。関根伸夫の「位相―大地」に始まる「もの派」は、いま世界で最も注目される日本発の美術動向です。
浮世絵の衰退後、日本の木版画は二つの道で蘇りました。伝統の分業制で叙情的風景を極めた「新版画」と、画家が自ら彫り摺る「創作版画」。大正・昭和の版画復興をたどります。
長く「傍流」とされてきた江戸の絵師たち——伊藤若冲、曾我蕭白、歌川国芳らは、美術史家・辻惟雄の『奇想の系譜』によって再発見されました。今や大人気の「奇想の絵師」の系譜をたどります。
イタリアから来たモディリアーニ、ロシアから来たシャガール、そして日本から来た藤田嗣治。第一次大戦前後のパリに世界中から集まった画家たちが織りなした、自由と孤独の芸術群像です。
20世紀初頭のロシアで、美術は歴史上もっとも過激な実験に突入しました。マレーヴィチの「黒の正方形」からタトリンの塔まで、革命と併走した前衛芸術の栄光と挫折をたどります。
「役に立たないもの、美しいと思わないものを家に置いてはならない」。産業革命下のイギリスで、ウィリアム・モリスは手仕事の復権を唱えました。デザインという概念の出発点となった運動です。
「絵とは本質的に、ある秩序で集められた色に覆われた平らな面である」。ゴーギャンの色彩理論に衝撃を受けた若者たちは自らを「ナビ(預言者)」と名乗り、日常の親密な情景を装飾的な画面に変えました。
印象派が「見えるもの」を追求した同じ時代、あえて夢、神話、死、幻想といった「見えないもの」を描いた画家たちがいました。モローやルドンが切り拓いた心の絵画は、20世紀美術の水脈となります。
フォンテーヌブローの森の村バルビゾンに集った画家たちは、神話でも歴史でもなく「ありのままの自然」を描きました。コローやミレーが育てた自然観は、印象派誕生の土壌となります。
19世紀後半、パリに渡った浮世絵が西洋美術に衝撃を与えました。モネ、ゴッホ、ドガらが夢中になった「日本趣味」は、印象派以後の絵画を根底から変えた美術史上最大級の異文化交流です。
ゴシック、ルネサンス、バロック、ロココ……様式の違いが図解でスッと頭に入る、美術館ファン御用達のビジュアル入門書。展覧会の予習に一冊あると心強い定番書です。