サンパウロ・ビエンナーレ:南米の巨大パビリオンで開かれる、世界で2番目に古い国際美術展

サンパウロ・ビエンナーレ:南米の巨大パビリオンで開かれる、世界で2番目に古い国際美術展

芸術祭
開催時期2年に1度2年に1度。次回は第37回・2027年(予定)。チーフキュレーターにアマンダ・カルネイロとラファエル・フォンセカを迎えたキュレーター陣が発表済みで、会期は未発表

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1951年創設、ヴェネチアに次いで世界で2番目に歴史ある国際美術展。ニーマイヤー設計の巨大パビリオンを舞台に、南半球からの視点で現代美術を問い直します。次回は2027年秋。

はじめに:南半球の現代美術の首都

サンパウロ・ビエンナーレは、ブラジル・サンパウロで1951年から続く国際現代美術展です。ヴェネチア・ビエンナーレに次いで世界で2番目に古く、ドクメンタと並ぶ世界三大国際美術展のひとつに数えられます。創設したのは、イタリア系ブラジル人の実業家フランシスコ・マタラッツォ・ソブリーニョ、通称チッチロ・マタラッツォ。第1回は1951年10月に、パウリスタ大通りのトリアノン広場(現在サンパウロ美術館が建つ場所)で開かれ、25の国からおよそ1,850点(公式統計では1,854点)が集まりました。スイスの作家マックス・ビルの彫刻《三分割された統一体》が外国彫刻部門の賞を受け、その後のブラジル具体芸術の展開に大きな影響を与えたことでも知られる回です。

1953年の第2回からイビラプエラ公園が舞台となり、1957年の第4回以降は同公園内のニーマイヤー設計のパビリオン(現シッシロ・マタラッツォ・パビリオン)が恒久会場となっています、ブラジルの建築巨匠オスカー・ニーマイヤーらが設計した巨大パビリオンが会場となっています。うねるスロープが貫く広大な空間を、一つの展覧会が埋め尽くします。第二次世界大戦後の間もない時期に、ヨーロッパでも北米でもない場所で大規模な国際美術展を立ち上げたこと自体が、当時としては野心的な試みでした。

絶対に知っておきたい!3つの見どころ

1. 「南」からの視点

欧米中心の美術史をラテンアメリカ・アフリカ・アジアの側から問い直すキュレーションが、近年の伝統となっています。直近の第36回(2025年9月~2026年1月)は、アフロ・ブラジル人詩人コンセイソン・エヴァリストの詩に由来する「すべての旅人が道を歩くわけではない」というテーマを掲げ、125の個人・集団が参加しました。日本ではなかなか見られない作家に、一度に大量に出会えます。次回・第37回のチーフキュレーターには、ブラジルのアマンダ・カルネイロとラファエル・フォンセカの2人が指名されました。

2. ニーマイヤーのパビリオン

会場のシッシロ・マタラッツォ・パビリオンは、ニーマイヤーとエリオ・ウショアを中心とするチームの設計です。柱の少ない3階建ての巨大空間を曲線のスロープが貫き、展示面積は3万平方メートルに及びます。それ自体が20世紀建築の名作であり、空間と作品のスケール感は圧倒的です。上の階へ上がるにつれて景色が変わっていく構造そのものが、鑑賞の体験を組み立てています。

3. 入場無料の祝祭

2004年の第26回で無料入場の方針が導入されて以来、ビエンナーレは入場無料が定着しています。会場のあるイビラプエラ公園は、これもニーマイヤーが設計に関わった市民の憩いの場で、園内にはサンパウロ近代美術館(MAM)やアフロ・ブラジル博物館も並んでいます。ビエンナーレを見たあとに公園を歩き、別の美術館へ立ち寄る。市民が日常としてアートを楽しむ空気を、そのまま体感できます。

開催概要

  • 開催地: ブラジル・サンパウロ市(イビラプエラ公園内)
  • 主な会場: シッシロ・マタラッツォ・パビリオン。同じ公園内にサンパウロ近代美術館(MAM)、アフロ・ブラジル博物館があります
  • 開催ペース: 2年に1度(1951年開始)
  • 開催時期: 第36回は2025年9月6日から2026年1月11日まで。第37回は2027年の開催が見込まれます
  • アクセス: サンパウロ・グアルーリョス国際空港から市内中心部へ。イビラプエラ公園までは地下鉄駅からバスやタクシーで向かうのが一般的です
  • 主催: サンパウロ・ビエンナーレ財団(Fundação Bienal de São Paulo)
  • 入場料: 無料

まとめ

地球の反対側は遠いですが、その分リターンも大きい芸術祭です。会期が9月から翌年1月までと長く取られているのも、遠方から訪れる者にはありがたいところです。入場無料で、しかも公園という開かれた場所にあるため、身構えずに立ち寄れるのも大きな魅力。南米旅行を計画するなら、開催年に合わせる価値は十分にあります。