『名画の謎 ギリシャ神話篇』:名画に隠されたギリシャ神話の物語を読み解く

『名画の謎 ギリシャ神話篇』:名画に隠されたギリシャ神話の物語を読み解く

『怖い絵』の中野京子が、ギリシャ神話を主題とした西洋絵画を1点ずつ読み解く人気シリーズの一冊。神話のあらすじと絵に隠された謎を、全20話構成で解説する美術エッセイ。

はじめに:名画を読むには、神話を知らなければならない

『怖い絵』シリーズで知られる中野京子には、もう一つの人気シリーズがあります。それが『名画の謎』シリーズで、本書『名画の謎 ギリシャ神話篇』(中野京子 著)はその一冊です。西洋絵画には、ギリシャ神話を題材にした作品が数え切れないほど存在しますが、神話の物語を知らなければ、絵に込められた意味の半分も読み取れません。本書は全20話構成で、名画1点ごとに神話のあらすじと、そこに隠された謎を解き明かしていきます。

この本の3つの見どころ(読みどころ)

1. 絵と神話、二つの物語を同時に楽しめる構成

1つの絵につき、まず神話のあらすじが語られ、続いて画家がその神話のどの場面を、どのような意図で切り取ったのかが解説されます。神話そのものの面白さと、絵画の読み解きの面白さを一度に味わえる贅沢な構成です。

2. 「彫刻に恋した彫刻家」など、人間くさい神々の物語

ギリシャ神話には、自らが彫った彫刻に恋をしたピグマリオンの物語など、人間味あふれるエピソードが数多く残されています。そうした物語を主題にした名画を通して、神話の世界がぐっと身近に感じられます。

3. 著者ならではの、少しダークで知的な語り口

『怖い絵』シリーズでも定評のある、名画の裏に潜む人間の欲望や悲劇を鋭く読み解く語り口は本書でも健在です。美しい絵の背後にある神話の残酷さや皮肉が、読み終えた後も強く印象に残ります。

この本を読んだ後の、おすすめのアクション

  • 神話画を「あらすじ」から鑑賞してみる: 美術館でギリシャ神話を題材にした絵を見かけたら、まずどの神話の場面かを考えてみてください。本書で得た知識があれば、これまで気づかなかった絵の中の暗示に気づけるようになります。

まとめ

『名画の謎 ギリシャ神話篇』は、名画と神話という二つの物語を同時に楽しめる一冊です。西洋絵画をより深く味わうための「もう一つの教養」として、ぜひ手にとってみてください。