『カラー版 名画を見る眼Ⅰ 油彩画誕生からマネまで』:西洋絵画の「見方」を教えてくれる、日本の美術鑑賞入門の古典
「なぜこの絵は名画なのか」を、構図・技法・時代背景から一点ずつ丁寧に読み解く高階秀爾の名著。1969年の初版以来読み継がれ、累計82万部を超えるロングセラーの美術鑑賞入門書。
はじめに:名画は「なんとなく素晴らしい」では終わらせない
美術館で名画の前に立っても、「なんとなくすごい」という感想で終わってしまう。そんな経験を持つ人に読んでほしいのが、『名画を見る眼』(高階秀爾 著)です。1969年の初版刊行以来、日本の美術鑑賞入門書の定番として読み継がれ、2015年には図版をカラー化した『カラー版 名画を見る眼Ⅰ・Ⅱ』として再刊されました。ファン・アイクからマネまで、西洋絵画史を彩る名画を1点ずつ取り上げ、「なぜこの絵が名画なのか」を丁寧に解き明かしていきます。
この本の3つの見どころ(読みどころ)
1. 1枚の絵を隅々まで読み解く「精読」の面白さ
本書の第1章で扱われるのが、ファン・アイクの『アルノルフィニ夫妻の肖像』です。一見するとただの夫婦の肖像画ですが、背後の鏡に映り込む人物、床に置かれた靴、天井から下がるシャンデリアの蝋燭一本一本まで、著者は驚くほど緻密に読み解いていきます。
2. 15点の名画でたどる、西洋絵画の技法の進化
ボッティチェリの『春』、ベラスケスの『ラス・メニーナス(宮廷の侍女たち)』、フェルメールの『絵画芸術』など、章を追うごとに時代が進み、遠近法や写実表現がどう発展していったかが自然と見えてきます。1点ずつじっくり読み進めることで、西洋絵画の技法の変遷を体系的に理解できます。
3. 半世紀読み継がれる、平易で誠実な語り口
専門用語を振りかざすことなく、一般読者に語りかけるような文体で書かれているのも大きな魅力です。刊行から半世紀以上経った今も版を重ね続けている事実が、その読みやすさと内容の確かさを物語っています。
この本を読んだ後の、おすすめのアクション
- 1点の絵の前で5分間立ち止まってみる: 美術館で気になった1枚の前で、本書のように構図や小道具の意味をじっくり観察する時間を取ってみてください。今まで素通りしていた細部が、急に語りかけてくるはずです。
まとめ
『名画を見る眼』は、絵を「知識」ではなく「観察」で読み解く方法を教えてくれる一冊です。次に美術館を訪れるときは、ぜひ1枚の絵の前でじっくり足を止めてみてください。
※当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者であり、適格販売により収入を得ています。



