横浜トリエンナーレ:港町で感じる世界の「今」

横浜トリエンナーレ:港町で感じる世界の「今」

芸術祭
開催時期3年に1度次回は第9回・2027年4月23日〜9月12日

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横浜の歴史的建造物や港の風景を背景に開催される、日本を代表する現代アートの国際展。国際都市ならではのグローバルな視点が魅力です。

はじめに:日本における「国際アート展」の先駆者

2001年、まだ日本に「芸術祭」という言葉が定着していなかった時代に、いち早くスタートしたのが横浜トリエンナーレ(ヨコトリ)です。開港の地として古くから多様な文化を受け入れてきた横浜を舞台に、世界的な知名度を持つアーティストから、これからブレイクする若手までが参加する、日本で最も国際色豊かな現代アートフェスティバルの一つです。

第1回のテーマは「メガ・ウェイブ―新たな総合に向けて―」。パシフィコ横浜と、当時まだ活用されていなかった赤レンガ倉庫を会場に、椿昇と室井尚による全長30メートルを超える巨大なバッタのバルーン《飛蝗(プロジェクト・インセクト・ワールド)》がホテルの外壁に出現し、現代アートを一気に街の話題へと押し上げました。以来3年に1度のペースで回を重ね、2024年の第8回「野草:いま、ここで生きてる」では、中国の作家・魯迅の散文詩集からタイトルを取り、パンデミックや戦争を経た時代をどう生きるかを問いかけました。主催は横浜市と横浜トリエンナーレ組織委員会などで、市の文化政策の中核を担う存在でもあります。

絶対に知っておきたい!3つの見どころ

1. 横浜美術館を中心とした、高密度な展示

他の芸術祭が広範囲に作品を点在させる傾向があるのに対し、横浜トリエンナーレは横浜美術館などの主要会場に大規模なインスタレーションがギュッと凝縮して展示されることが多いのが特徴です。会場となる横浜美術館は1989年開館、丹下健三の設計による左右対称の建築で、2024年に大規模改修を終えてリニューアルオープンしました。移動に時間をかけすぎず、一つの作品とじっくり向き合う鑑賞ができます。

2. 港町の歴史的建造物とアートのコラボ

メイン会場以外にも、1929年竣工の旧第一銀行横浜支店や、生糸倉庫を転用したBankART KAIKO、赤レンガ倉庫など、横浜ならではのレトロで美しい歴史的建造物が展示会場として使われてきました。クラシックな建築空間と尖った現代アートのコントラストは非常にフォトジェニックで、横浜の街の魅力を再発見させてくれます。

3. 世界の分断や社会課題に切り込むメッセージ性

国際展であるヨコトリは、世界の政治、難民問題、環境危機など、グローバルな社会課題に真っ向から切り込む社会派の作品が多く集まる傾向にあります。ニュースで見るのとは違う「アートからの問題提起」は、見終わった後に深く考えさせられる、ずっしりとした見応えがあります。

初心者が楽しむための鑑賞のコツ

  • 「わからない」ことを恐れない: 社会的なテーマを扱う作品は、解説なしで一目見ただけでは理解できないことも多いです。しかし、それは当たり前。キャプションをしっかり読み込むか、「よくわからないけれど、この映像の雰囲気は好きだな」という直感的な楽しみ方でも全く問題ありません。
  • 会期が長いぶん、時間帯を選べる: 近年は数か月にわたる会期が組まれています。混雑を避けたいなら平日の午前がねらい目。会場をすべて回るなら丸1日みておくと安心です。
  • 横浜観光とセットで楽しむ: 会場の近くには中華街や山下公園、みなとみらいエリアなど見どころが満載です。午前中にアートを鑑賞し、頭を使った後は中華街で食事という王道のコースが組めるのも大きな魅力です。

開催概要

  • 開催地: 神奈川県横浜市(みなとみらい・関内周辺)
  • 主な会場: 横浜美術館を中心に、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKOなど。回によって会場構成は変わります
  • 開催ペース: 3年に1度。2001年に第1回が開催されました
  • 開催時期: 次回の第9回は2027年4月23日から9月12日まで。アーティスティック・ディレクターはコスミン・コスティナシュとインティ・ゲレロが務めます
  • アクセス: 横浜美術館へはみなとみらい線「みなとみらい」駅から徒歩約3分、JR「桜木町」駅から徒歩約10分です
  • 主催: 横浜市、横浜トリエンナーレ組織委員会ほか

まとめ

横浜トリエンナーレは、世界中で今起きているリアルな出来事やアーティストの思考に、横浜という美しい港町で直接触れることができる貴重な機会です。知的好奇心をフル回転させて、世界の最前線のアートに飛び込んでみてください。