大分アートフェスティバル:3年に1度、大分の街なかが回遊する劇場になる

大分アートフェスティバル:3年に1度、大分の街なかが回遊する劇場になる

芸術祭
開催時期3年に1度3年に1度の秋。前回2025年は9月26日〜10月26日に「回遊劇場w@nder」として開催。次回は2028年(予定・日程未発表)

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大分市の中心市街地を舞台に、2019年から3年に1度開かれる回遊型のアートフェスティバルです。2025年は「回遊劇場 w@nder」と題し、9月26日から10月26日まで開催されました。

はじめに:街を歩くことが、そのまま鑑賞になる

大分アートフェスティバルは、大分県大分市の中心市街地を舞台とする回遊型のアートフェスティバルです。大分市はそれ以前から、公衆トイレを作品化した「おおいたトイレンナーレ2015」や、2018年の「回遊劇場 〜ひらく・であう・めぐる〜」といった企画を重ねてきました。その流れを受けて、2019年に「大分アートフェスティバル2019 回遊劇場 SPIRAL」が開かれ、以降は3年に1度のペースになっています。2022年は「回遊劇場 AFTER」、2025年は「回遊劇場 w@nder(ワンダー)」と題して、9月26日から10月26日までの1か月間開催されました。主催は大分市アートを活かしたまちづくり推進会議(事務局は大分市商工労働観光部商工労政課)。掲げられたのは、観客が街を巡り、場所に秘められた物語と出会う「劇場型都市体験」という考え方です。

絶対に知っておきたい!3つの見どころ

1. 「ゲニウス・ロキ」を読み解く作品たち

企画の軸になっているのは「ゲニウス・ロキ」、すなわち土地の精霊、場の個性という概念です。アーティストたちが大分の街のあちこちに宿る記憶や特性を読み解き、その場所に応じた作品を展開します。同じ作品を白い壁の展示室に移したら成立しない。そういう性質の作品が並びます。建物の来歴や、かつてそこにあったものの記憶を手がかりにした作品が多く、解説を読みながら回ると理解が深まります。「wander(さまよう)」と「wonder(驚き)」を重ねたタイトルも、歩くことそのものを鑑賞の方法に据えるという宣言になっています。

2. 日常の場所が会場になる

会場はアートプラザのような文化施設だけではありません。JR大分駅、九州電力大分支店ビル、トキハ本店といった、市民が日々使っている場所が会場に組み込まれます。商店街のシャッターやビルの壁面、店舗、地下道といった、およそ展示空間らしくない場所にも作品が置かれます。買い物のついでに作品と出くわす。通勤路が展示空間になる。街の見え方が一時的に書き換えられるのが、この形式の面白さです。美術館という枠が最初から外されているぶん、作品と生活のあいだの境目が曖昧になります。

3. 商店街と結びついたプログラム

アートツアーやワークショップに加え、商店街の店舗を会場とするアートギャラリー企画が組まれます。地元の商業と芸術祭が直接つながる仕掛けで、来場者は自然と街の店に足を踏み入れることになります。2025年には特急ソニックを特別にラッピングした「W@NDER ART EXPRESS」も走り、ライブペイントやアーティストトーク、朗読といった催しも並びました。回遊型を掲げるだけあって、歩く距離と出会いの数が比例する構成です。アートツアーに参加すれば、自力では見落としてしまう作品にも案内してもらえます。

開催概要

  • 開催地:大分県大分市 中心市街地各所
  • 主な会場:アートプラザ、JR大分駅、トキハ本店(ほか商店街の店舗やビルの壁面、地下道など)
  • 開催ペース:3年に1度(この名称では2019年開始)
  • 開催時期:秋。2025年は9月26日から10月26日まで。次回は2028年が見込まれます
  • アクセス:JR日豊本線・久大本線 大分駅が起点。会場は駅周辺の徒歩圏に集中しています
  • 主催:大分市アートを活かしたまちづくり推進会議(事務局は大分市商工労働観光部商工労政課)
  • まとめ

    大分県のアートというと別府の企画が知られていますが、県庁所在地である大分市にも独自のフェスティバルが根づいています。街の中心部にまとまっているため、半日から一日あればひととおり回れる規模感も魅力です。開催が近づいたら大分市の公式情報を確認してみてください。会期のない年でも、会場のひとつであるアートプラザには磯崎新が設計した旧・大分県立図書館の建物がそのまま残り、関連展示も行われています。大分のアートに触れる手がかりとして、いつ訪れても立ち寄る価値のある場所です。