道後アート:日本最古の温泉街が現代アートの展示室になる

道後アート:日本最古の温泉街が現代アートの展示室になる

芸術祭
開催時期数年ごと2025年10月10日〜2027年2月28日に蜷川実花の企画を実施

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愛媛県松山市の道後温泉地区を舞台にしたアートプロジェクトです。2014年の「道後オンセナート」に始まり、名前を変えながら重ねられてきました。2025年10月10日から2027年2月28日までは蜷川実花による企画が展開されています。

はじめに:温泉街そのものが作品の舞台になる

道後アート(DOGO ART)は、愛媛県松山市の道後温泉地区を舞台とするアートプロジェクトです。出発点は2014年の「道後オンセナート2014」。道後温泉本館の改築120周年を記念して企画されたもので、9軒のホテル・旅館の客室をそれぞれ作家が手がける「HOTEL HORIZONTAL」には、草間彌生、荒木経惟、谷川俊太郎、皆川明、石本藤雄ら錚々たる顔ぶれが参加しました。泊まること自体が鑑賞になるという発想は、当時大きな話題になっています。

以後、「蜷川実花 × 道後温泉 道後アート2015」、「山口晃 × 道後温泉 道後アート2016」、日比野克彦による「ひみつジャナイ基地プロジェクト」、道後オンセナート2018・2022、道後アート2023と、名前を変えながら企画が積み重ねられてきました。そして2025年10月10日からは「蜷川実花 with EiM × 道後温泉 DOGO ART」が始まりました。会期は2027年2月28日まで、およそ1年5か月に及びます。これは写真家・映画監督である蜷川実花のキャリアのなかで最長の会期となる規模です。

絶対に知っておきたい!3つの見どころ

1. 温泉街に色彩が満ちる

今回のコンセプトは「いのちの咲く湯 -A Place for Blooming-」。道後温泉本館の北側と西側に花や金魚の写真36点を並べたインスタレーション、椿と和傘と金魚をあしらったエントランスの陣幕、椿の湯の暖簾、道後商店街の提灯ゲートなど、複数の形式の作品が温泉街に点在します。蜷川実花の作品といえば強烈な色彩が特徴ですが、それが木造の温泉街に置かれるとどう見えるのか。この対比自体が企画の核になっています。蜷川実花は2015年にも道後を手がけており、この土地との関わりを重ねてきた作家による内容です。

2. 夜と昼で表情が変わる

プロジェクションマッピングや提灯を使った作品が含まれているため、日が落ちてからの景色は昼とはまったく別物になります。道後温泉本館という建物自体が持つ迫力に、光と色が重なる。宿を取って一泊し、夕方と朝の両方を歩くのがおすすめの回り方です。同じ路地でも、時間帯によって受ける印象がまるで変わります。

3. 日本最古とされる温泉との組み合わせ

道後温泉は『日本書紀』にも記述が見える、日本最古のひとつとされる温泉です。現在の本館は1894年(明治27年)に建てられた木造三層楼で、国の重要文化財に指定されています。その建物に現代美術を持ち込むという発想が、このプロジェクトの出発点にありました。今回は道後温泉本館前に、老舗菓子店の店舗を改装したオフィシャルショップ「蜷川商店」も開設されています。湯に浸かり、街を歩き、作品を見る。観光と鑑賞が自然につながる構成になっています。

開催概要

  • 開催地:愛媛県松山市 道後温泉地区
  • 主な会場:道後温泉本館、椿の湯、道後商店街(ハイカラ通り)
  • 開催ペース:数年ごとに企画を実施(2014年開始)
  • 開催時期:「蜷川実花 with EiM × 道後温泉 DOGO ART」は2025年10月10日から2027年2月28日まで
  • アクセス:伊予鉄道市内電車 道後温泉駅から徒歩すぐ。JR松山駅から市内電車で約25分、松山空港からリムジンバスで約40分
  • 主催:道後アート実行委員会(松山市が中心となって運営)

まとめ

芸術祭の多くは会期が数週間から数か月ですが、今回の道後アートは1年以上にわたって続きます。旅の日程を芸術祭に合わせる必要がない、というのは大きな利点です。四国を訪れる予定があるなら、道後温泉での一泊を組み込んでみてください。湯上がりの夜道で作品に出会う体験は、なかなか他では得られません。