『リボルバー』:ゴッホの死の謎に挑む、パリ発のアート・ミステリー
ゴッホは本当に自殺だったのか——。パリのオークション会社に持ち込まれた一丁の錆びたリボルバーから、ゴッホとゴーギャン、二人の天才の関係の真実に迫る長編アートミステリーです。
はじめに:一丁の錆びた拳銃から始まる物語
『リボルバー』(原田マハ 著)は、フィンセント・ファン・ゴッホの死の謎を軸にした長編小説です。パリの小さなオークション会社に働く高遠冴のもとに、ある日「ゴッホを撃ち抜いた」というリボルバーが持ち込まれます。真贋の調査を進めるうちに、ゴッホとポール・ゴーギャン、共同生活を送った二人の画家の関係が新たな光の中に浮かび上がっていきます。
この本の3つの見どころ(読みどころ)
1. 「ゴッホの死」という美術史最大級の謎
ゴッホの死については、定説の自殺説のほかに他殺説も真剣に議論されてきました。本作はその論争を踏まえつつ、小説だからこそ可能な大胆な仮説を提示します。
2. ゴーギャンという「もう一人の主役」
アルルでの共同生活と決裂、そして「耳切り事件」。ゴッホの物語で悪役にされがちなゴーギャンの孤独と矜持が丁寧に描かれ、二人の関係の見え方が変わります。
3. オークションの世界の臨場感
美術品の来歴(プロヴナンス)調査や真贋鑑定など、オークションビジネスの裏側の描写はキュレーター出身の著者ならでは。知的好奇心を刺激されます。
この本を読んだ後の、おすすめのアクション
『たゆたえども沈まず』と読み比べる: 同じ著者がゴッホの生前を描いた長編とあわせて読むと、ゴッホの生と死を両側から眺めることができます。
まとめ
『リボルバー』は、ミステリーとしての牽引力と美術小説としての深みを兼ね備えた一冊です。ゴッホとゴーギャン、それぞれの絵をもう一度見たくなること請け合いです。
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