『美しき愚かものたちのタブロー』:国立西洋美術館の礎「松方コレクション」を守った人々の物語
日本に本物の美術館を作りたい——。その夢に人生を賭けた実業家・松方幸次郎と、戦火のパリでコレクションを守り抜いた人々を描く長編小説。国立西洋美術館の誕生秘話です。
はじめに:国立西洋美術館はなぜ生まれたのか
『美しき愚かものたちのタブロー』(原田マハ 著)は、国立西洋美術館の礎となった「松方コレクション」の数奇な運命を描く長編小説です。川崎造船所の社長・松方幸次郎は、大正から昭和にかけて私財を投じ、モネやロダンなど膨大な西洋美術品を買い集めました。「日本の若者に本物を見せたい」という夢の行方を、史実に基づいて物語ります。
この本の3つの見どころ(読みどころ)
1. スケールの大きい「コレクター小説」
ロンドン、パリ、そして東京。第一次大戦の軍需景気から昭和恐慌、第二次大戦へと続く激動の時代を背景に、一人の実業家の信念が壮大なスケールで描かれます。
2. 戦火のパリでコレクションを守った日置釭三郎
松方の指示でパリに残り、ナチス占領下でコレクションを疎開させ守り続けた日置釭三郎の存在は、本作で初めて知る読者も多いはず。歴史に埋もれた功労者に光を当てます。
3. モネと松方の交流
ジヴェルニーのモネを松方が直接訪ね、「睡蓮」を譲り受ける場面は本作の白眉。国立西洋美術館が所蔵するモネ作品の来歴を知ると、実物の前に立つ感慨が変わります。
この本を読んだ後の、おすすめのアクション
国立西洋美術館の常設展へ: 松方コレクションの現物は上野の国立西洋美術館で見られます。本書を読んでから訪れれば、一枚一枚が「物語の生き証人」に見えるはずです。
まとめ
『美しき愚かものたちのタブロー』は、美術品の背後にある「人の物語」を教えてくれる長編小説です。美術館という場所そのものが愛おしくなる一冊です。
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