『ジヴェルニーの食卓』:モネ、ドガ、セザンヌ、マティス。巨匠たちの素顔を描く美術短編集
マティス、ドガ、セザンヌ、モネ。4人の巨匠を、彼らのそばにいた女性たちの目線から描く珠玉の短編小説集。史実に基づいたフィクションだからこそ届く、画家たちの体温が感じられる一冊です。
はじめに:巨匠たちを「隣にいた人」の目で見る
『ジヴェルニーの食卓』(原田マハ 著)は、印象派とその周辺の巨匠たちを題材にした美術短編小説集です。キュレーター出身の小説家である著者が、史実を丹念に踏まえながら、アンリ・マティス、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、クロード・モネの4人を、家政婦や踊り子、画材屋の娘、義理の娘といった「そばにいた人々」の視点から描きます。
この本の3つの見どころ(読みどころ)
1. 表題作「ジヴェルニーの食卓」のモネ
晩年のモネが暮らしたジヴェルニーの庭と食卓を舞台に、睡蓮の連作に挑む画家の姿が義理の娘ブランシュの目から描かれます。光を追い続けた画家の執念と家族の愛情が重なる表題作は、モネの睡蓮を見る目を確実に変えてくれます。
2. 「エトワール」が明かすドガの真実
踊り子を描き続けたドガの代表作「エトワール」の裏側を、モデルの少女の物語として再構成。華やかなバレエの舞台裏にあった19世紀パリの現実が胸に迫ります。
3. タンギー爺さんとセザンヌ
ゴッホの肖像画でも知られる画材屋タンギー爺さんの店を舞台に、まだ無名だったセザンヌの才能を信じた人々の物語が展開します。美術史の「脇役」たちへの温かい眼差しこそ、この短編集の真骨頂です。
この本を読んだ後の、おすすめのアクション
印象派の展覧会に行ってみる: 本書を読んでからモネやドガの実物に向き合うと、絵の向こうに人物の息づかいが見えるはずです。国立西洋美術館など印象派コレクションのある美術館で確かめてみてください。
まとめ
『ジヴェルニーの食卓』は、美術史の知識がなくても楽しめて、読み終える頃には印象派がぐっと身近になる短編小説集です。アート小説の入口として、自信を持っておすすめできます。
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