『風神雷神 Juppiter, Aeolus』:俵屋宗達がもし西洋美術に出会っていたら、という大胆な「if」の物語
国宝「風神雷神図屏風」の俵屋宗達が、天正遣欧少年使節とともにヨーロッパへ渡っていたら——。史実の隙間に大胆な想像を吹き込み、東西の美術が出会う瞬間を描く長編歴史小説です。
はじめに:国宝の絵師の「空白の前半生」
『風神雷神 Juppiter, Aeolus』(原田マハ 著)は、「風神雷神図屏風」で知られる琳派の祖・俵屋宗達を主人公にした長編歴史小説です。宗達の前半生はほとんど記録が残っていません。本作はその空白に、「もし宗達が天正遣欧少年使節に同行してヨーロッパに渡り、西洋美術に出会っていたら」という大胆な想像を吹き込みます。
この本の3つの見どころ(読みどころ)
1. 安土桃山の日本と、ルネサンス末期のヨーロッパ
織田信長の安土から、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマへ。東西の文化が最初に交差した時代のきらめきが、少年・宗達の目を通して鮮やかに描かれます。
2. カラヴァッジョとの出会い
旅の先で宗達が出会うのは、若き日のカラヴァッジョ。日本の「たらしこみ」と西洋の「光と闇」、二つの天才の邂逅は本作最大の見せ場です。
3. 「風神雷神図屏風」誕生への伏線
旅で得たすべてが、やがてあの金地の屏風に結実していく——。読み終えてから風神雷神図を見ると、風神と雷神が西洋の神々とも重なって見えてきます。
この本を読んだ後の、おすすめのアクション
琳派の実物を見る: 「風神雷神図屏風」を所蔵する建仁寺(京都国立博物館寄託)や、琳派コレクションで知られる美術館で、宗達とその後継者たちの系譜を確かめてみてください。
まとめ
『風神雷神』は、歴史のifを楽しみながら日本美術と西洋美術の関係を考えさせてくれる歴史小説です。琳派入門としても、冒険物語としても楽しめます。
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