平山郁夫美術館:しまなみ海道・生口島、シルクロードの画家のふるさとで

平山郁夫美術館:しまなみ海道・生口島、シルクロードの画家のふるさとで

美術館

日本画家・平山郁夫の故郷、瀬戸田(生口島)に1997年開館。少年時代の絵日記からシルクロードの大作まで、平和への祈りを込めた画業をたどれます。

はじめに:画家のふるさとに建つ美術館

平山郁夫美術館は、1997年(平成9年)に広島県尾道市瀬戸田町(生口島)に開館した美術館です。この島で生まれ育った日本画家・平山郁夫(1930-2009)の作品を、幼少期から晩年まで体系的に収蔵しています。設計は建築家・今里隆。切妻の大屋根にやわらかな反りを加えて大型の日本瓦をのせ、下屋根は黒銅板で構成した和風建築で、内部にはナラ材を多用し、開口部に障子を入れるなど温かみのある空間になっています。庭園は造園家・中島健との共同デザインで、中央のひょうたん島によって瀬戸内海の風景を表しました。しまなみ海道のサイクリング拠点としても人気の島で、瀬戸内の穏やかな光とともに平山芸術を味わえます。

平山郁夫:被爆体験からシルクロードへ

平山は15歳のとき、広島で学徒動員中に被爆し、その体験から「平和の祈り」を生涯のテーマとしました。1959年の「仏教伝来」で画壇に認められて以降、玄奘三蔵の求法の旅に自らを重ね、シルクロードを150回を超えて取材。ラクダの隊商が行く砂漠の月夜や、青いモスク、敦煌の石窟などを、深い群青と金の画面に描き続けました。その集大成が、奈良・薬師寺の玄奘三蔵院伽藍に奉納された「大唐西域壁画」です。全7場面・全長49メートルという規模で、2000年12月31日に完成奉納されました。文化財赤十字活動としてアンコールワットや敦煌の保護にも尽力し、1998年には文化勲章を受章しています。館内では少年時代の絵日記や下図も見られ、巨匠の原点に触れられます。

3つの見どころ

シルクロードの大作: 月光の砂漠を行くキャラバンなど、平山芸術の代名詞となった風景に出会えます。約2,000点の収蔵作品から、テーマごとに入れ替えて紹介されています。

少年時代の絵日記: 5歳から15歳頃までに描かれた作品群が残されており、戦時下の島の暮らしを描いた少年・平山の絵は、それ自体が貴重な記録となっています。

瀬戸田の町歩き: 隣接する耕三寺博物館・未来心の丘(白い大理石の庭園)とあわせて、島のアート散歩が楽しめます。名産の瀬戸田レモンを使ったスイーツの店も港周辺に点在しています。

施設情報・アクセス

住所: 広島県尾道市瀬戸田町沢200-2

アクセス: 尾道・三原から瀬戸田行きの船またはバス。しまなみ海道「生口島北IC」から車で約10分です。

開館時間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)

休館日: 無休(臨時休館あり)

入館料: 一般1,000円、大学・高校生500円、小中学生300円(10名以上の団体は割引あり)。特別展により変更となる場合があります。