泉屋博古館東京:住友コレクションの粋、六本木の緑に囲まれた美の分館

泉屋博古館東京:住友コレクションの粋、六本木の緑に囲まれた美の分館

美術館

住友家が代々収集した美術品「住友コレクション」を公開する京都・泉屋博古館の東京館。2022年リニューアル。近代絵画や茶道具、モネまで、落ち着いた空間で味わえます。

はじめに:財閥コレクションの東京拠点

泉屋博古館東京は、住友家に伝わる「住友コレクション」を公開する美術館です。コレクションの中核を築いたのは、住友家第15代当主・住友春翠(1864〜1926)。明治中頃から大正にかけて、中国古代青銅器から日本・東洋の書画、茶道具、文房具、能面・能装束、近代陶磁器、さらに西洋絵画まで、驚くほど広い分野を集めました。中国古代青銅器の世界的コレクションで知られる京都・鹿ヶ谷の泉屋博古館(1960年開館)が本館で、東京館は旧住友家麻布別邸の跡地に2002年、その分館として開館。2020年からの改修を経て、開館20周年にあたる2022年春に「泉屋博古館東京」と改称してリニューアルオープンしました。「泉屋(せんおく)」の名は、住友家が江戸時代に銅精錬業で用いた屋号「泉屋(いずみや)」に由来します。

コレクション:青銅器から印象派まで

東京館はホールを中心に4つの展示室を配し、日本・東洋の絵画、茶道具、文房具、近代陶芸、西洋絵画などをテーマごとの企画展で公開しています。西洋絵画ではクロード・モネ《モンソー公園》(1876年)、日本近代では藤島武二《幸ある朝》(1908年)、工芸では重要文化財の板谷波山《葆光彩磁珍果文花瓶》(1917年)などが知られます。財閥の当主が事業のためでなく自らの美意識で選び取った品々には、分野を越えた一貫した品格があります。

3つの見どころ

1. 住友コレクションの多面性

茶道具、近代日本画、洋画、青銅器と、企画展ごとにまったく違う顔を見せます。何度通っても飽きません。

2. モネ《モンソー公園》

住友家が明治期にいち早く手に入れた印象派絵画のひとつ。パリの公園の木漏れ日が、軽やかな筆致で描かれています。

3. 六本木の隠れ家ロケーション

泉ガーデンの緑に面した落ち着いた立地で、都心の喧騒を忘れて鑑賞できます。

2026年秋は「没後100年記念 住友春翠」

2026年8月29日(土)から10月12日(月・祝)まで、特別展「没後100年記念 住友春翠 ―仕合わせの住友近代美術コレクション」が開催されます。コレクションの礎を築いた春翠の没後100年を記念し、日本画・洋画・工芸を横断してその審美眼とコレクション形成の歩みをたどる内容で、モネ《モンソー公園》、藤島武二《幸ある朝》、尾竹竹坡《九冠鳥》(1912年)、重要文化財の板谷波山《葆光彩磁珍果文花瓶》などが並びます。前期(8月29日〜9月23日)と後期(9月25日〜10月12日)で展示替えがあるため、両方を狙う楽しみ方もできます。観覧料は一般1,500円、学生800円、18歳以下無料。続く11月3日〜12月13日には「唐物誕生」展が予定されています。

施設情報・アクセス

住所:〒106-0032 東京都港区六本木1-5-1

アクセス:東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅から徒歩約3分

開館時間:11:00〜18:00(入館は17:30まで)、金曜日は19:00まで(入館は18:30まで)

休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替え期間、年末年始

開催中・開催予定の企画展

開催中没後100年記念 住友春翠―仕合せの住友近代美術コレクション

没後100年記念 住友春翠―仕合せの住友近代美術コレクション

泉屋博古館東京

2026年8月29日2026年10月12日