デイヴィッド・ホックニー:プールの水しぶきからiPadまで、「見ること」を楽しみ続ける現代最高峰の画家

デイヴィッド・ホックニー:プールの水しぶきからiPadまで、「見ること」を楽しみ続ける現代最高峰の画家

画家

カリフォルニアのプールを描いた鮮やかな絵画で一世を風靡し、80代ではiPadで春の風景を描くデイヴィッド・ホックニー。「絵画は死なない」を体現し続ける、現存する最も重要な画家の一人。

はじめに:いつの時代も「新しい」画家

デイヴィッド・ホックニー(1937-)は、英国出身の画家で、現存する最も重要なアーティストの一人と評されます。1960年代にカリフォルニアの陽光とプールを描いたポップで鮮やかな絵画で名声を確立し、その後もポラロイド写真を組み合わせた「ジョイナー」、ファックスやコピー機を使った作品、そして70代から始めたiPadでのドローイングまで、常に新しい道具と視点で「見ることの楽しさ」を探求し続けています。

生涯:ブラッドフォードからロサンゼルス、そして故郷へ

ホックニーは英国北部の工業都市ブラッドフォードに生まれ、ロンドンの王立美術学校で学びました。在学中から注目を集め、1964年に移住したロサンゼルスで、プール、シャワー、ヤシの木といったカリフォルニアの光あふれる生活を描いて一躍スターとなります。《ア・ビガー・スプラッシュ》に代表されるこの時期の作品は、20世紀後半の絵画を語るうえで欠かせません。1970年代以降は、遠近法への疑問からピカソのキュビスムを再研究し、無数の写真を貼り合わせて複数の視点を一枚に収める「ジョイナー」を考案。2000年代には故郷ヨークシャーに戻り、四季の風景を巨大なカンヴァスとiPadで描き続けました。2018年には《芸術家の肖像(プールと二人の人物)》が、存命作家の作品として当時の史上最高額で落札され、大きなニュースとなりました。

3つの代表作解説

  • ア・ビガー・スプラッシュ(ロンドン、テート): 飛び込み台と、人の姿なき水しぶきだけを描いたプール絵画の代表作。カリフォルニアの静止した時間が、一瞬の水音とともに永遠になりました。
  • 芸術家の肖像(プールと二人の人物): プールを泳ぐ人物と、それを見つめる青年を描いた大作。人間関係の緊張と光の美しさが同居する、ホックニーの物語性の頂点です。
  • 春の到来(iPad絵画連作): ヨークシャーやノルマンディーの春を、iPadで毎日描き続けた連作。80代の巨匠がデジタルの筆で描く生命の芽吹きは、「絵を描く喜び」の永遠さを証明しています。

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