神話、寓意、祝祭——ルネサンスからバロックにおけるイタリア宮廷と版画

神話、寓意、祝祭——ルネサンスからバロックにおけるイタリア宮廷と版画

開催中
会期
2026年6月30日2026年10月12日
所要時間
30分〜45分(当サイトによる目安)
所在地
〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
混雑状況
国立西洋美術館の公式X(@NMWATokyoXで来場者の反応を見る(待ち時間の告知は公式Xに出ることが多いです)

東京・上野の国立西洋美術館で、2026年6月30日(火)から10月12日(月・祝)まで、小企画展「神話、寓意、祝祭——ルネサンスからバロックにおけるイタリア宮廷と版画」が開催されています。会場は版画素描展示室(常設展示室 新館2階)です。ルネサンスからバロック期に制作された神話や寓意、宮廷祝祭のイメージを、国立西洋美術館が所蔵する約50点の版画作品を通してたどります。所要時間の目安は30分〜45分。

「神話、寓意、祝祭」はどんな展覧会?

ルネサンス期のイタリアでは、古典古代への関心の高まりと人文主義の広がりを背景に、ギリシア・ローマ神話の神々のイメージが復活し、宮廷文化のなかで多彩に表現されるようになりました。これらの図像は人文主義的な古典解釈のもと寓意として読み替えられ、とりわけ宮廷祝祭という儀礼的空間において政治的・象徴的役割を担うようになります。本展は、その展開を版画という媒体から追いかける小企画展です。

15世紀後半、イタリアにおいて銅版画の制作が本格化すると、古代の神々や象徴体系に由来する図像も主題として取り入れられ、流通するようになりました。16世紀にはローマを中心に、ラファエロらの作品に基づく複製版画が盛んに制作され、マルカントニオ・ライモンディをはじめとする版画家が活躍します。これらの版画の多くは、神話や寓意の解読を前提とし、人文主義的素養を備えた鑑賞者や収集家を主な対象としていました。

同時期には、邸宅装飾の図案を示す装飾版画が広く流通し、芸術家や職人の視覚資料として用いられます。さらに、宮廷祝祭を記録する出版物においても、版画は重要な役割を果たしました。とりわけフィレンツェのメディチ宮廷では、君主像や紋章、神話や寓意が組み合わされた祝祭の情景が版画化され、華麗な宮廷文化や都市の活気を伝えるとともに、君主を称揚するメッセージを他都市の宮廷へと広く伝える役割を担いました。展示は、初期銅版画の古代風図像や、古代彫刻に学んだマンテーニャの造形に始まり、ローマやマントヴァにおいて展開した複製版画、装飾文様や工芸品の図案、ジャック・カロら宮廷版画家による祝祭の描写までを紹介する構成です。

主な展示内容・注目の作品

  • 《洗礼者聖ヨハネの斬首》の版画家《寓意:盾を持つ男の前で争う動物》1515–20年、エングレーヴィング、スティップル・エングレーヴィング
  • マルカントニオ・ライモンディ《クォス・エゴ(波を鎮めるネプトゥヌス)》(ラファエロの原画に基づく)1515-16年頃、エングレーヴィング
  • マルコ・デンテ《ばらの棘に傷つくヴィーナス》(ラファエロの原画に基づく)1516年、エングレーヴィング
  • ジョルジョ・ギージ《トロイアの陥落とアイネイアスの逃亡》(ジョヴァンニ・バッティスタ・スクルトーリの原画に基づく)1545年頃、エングレーヴィング
  • オラツィオ・スカラベッリ《ピッティ宮中庭における模擬海戦》(『トスカーナ大公フェルディナンド一世とクリスティーヌ・ド・ロレーヌの結婚式』より)1589年、エッチング
  • ジャック・カロ《アルノ川の祝祭(扇)》1619年、エッチング、エングレーヴィング
  • 出品作品はすべて国立西洋美術館蔵です

「神話、寓意、祝祭」の見どころ3選

  • 神話の図像が「寓意」へと読み替えられていく過程をたどれること。人文主義的な古典解釈のもとで神々のイメージは意味を担い直し、宮廷祝祭の場で政治的・象徴的な役割を果たすようになります
  • 複製版画という回路。16世紀のローマではラファエロらの原画に基づく複製版画が盛んに作られ、ライモンディやマルコ・デンテといった版画家が活躍しました。原画そのものを見ずに図像が広まっていく仕組みが見えてきます
  • メディチ宮廷の祝祭を伝える版画。《ピッティ宮中庭における模擬海戦》やジャック・カロ《アルノ川の祝祭(扇)》は、祝祭の情景を他都市の宮廷へと伝える出版物のなかで機能していました

料金・開館時間

  • 観覧料は一般500円(400円)、大学生250円(200円)。( )内は20名以上の団体料金(要予約)です
  • 本展は常設展または企画展「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト」(2026年7月7日〜9月23日)の観覧券で、観覧当日に限り観覧できます
  • 高校生以下及び18歳未満、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料(入館の際に年齢の確認できるもの、障害者手帳等を提示)
  • 10月11日(日)は本展および常設展が観覧無料の「Kawasaki Free Sunday」です
  • 開館時間は9:30〜17:30(金・土曜日は〜20:00)。入館は閉館の30分前までです
  • 休館日は月曜日、7月21日(火)、9月24日(木)〜9月30日(水)。ただし7月20日(月・祝)、8月10日(月)、9月21日(月・祝)、10月12日(月・祝)は開館します

最新情報は公式サイトで確認してください。

あわせて訪れたい周辺スポット・館内カフェ

国立西洋美術館は上野公園内にあります。本館はル・コルビュジエの設計で1959年3月に竣工した重要文化財であり、2016年には「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」の構成資産として世界遺産に登録されました。前庭にはロダンの《地獄の門》《考える人》《カレーの市民》が並び、2022年のリニューアル工事で開館当初の配置に可能な限り復原されています。館内には中庭に面した「CAFÉ すいれん」があり、通常日は10:00〜17:30、金曜・土曜日は10:00〜20:00の営業です。本展は常設展の観覧券で見られるため、西洋絵画史を概観する常設展示とあわせて回るのが自然な組み立てになります。

まとめ

「神話、寓意、祝祭——ルネサンスからバロックにおけるイタリア宮廷と版画」は、国立西洋美術館所蔵の約50点で、イタリア宮廷文化の知的・美的潮流のなかに生まれた世俗的イメージをたどる小企画展です。会期は2026年6月30日から10月12日まで。一般500円という常設展料金の範囲で見られ、版画素描展示室という小さな空間ながら、神話・寓意・祝祭が結びついていく様子を静かに追える構成になっています。

所要時間は、展示の規模と内容から当サイトが見積もった目安です。 じっくり見る方や音声ガイドを利用する場合は、これより長くかかることがあります。 また、会期・開館時間・料金などは変更される場合があります。 おでかけの前に、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

会場について

国立西洋美術館

国立西洋美術館

〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7

上野公園に佇む国立西洋美術館は、近代建築の巨匠ル・コルビュジエが設計した世界文化遺産。モネ、ルノワール、ロダンなど西洋美術の傑作を常設展示し、松方コレクションを核とした圧巻のコレクションを誇ります。

美術館の詳細・アクセスを見る →

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