プラカードのために
- 会期
- 2026年9月19日 〜 2026年11月29日開幕まであと9日
- 所要時間
- 90分〜120分(当サイトによる目安)
- 所在地
- 〒860-0845 熊本県熊本市中央区上通町2-3 びぷれす熊日会館3F
- 公式サイト
- 公式サイトを見る(別のタブで開きます)
- 混雑状況
- Xで来場者の反応を見る(いずれも別のタブで開きます)
熊本市現代美術館で2026年9月19日から11月29日まで開催される、2024年に亡くなった美術家・田部光子の言葉と作品を出発点にした企画展です。田部の作品26点を含む7名の作家による構成で、映像、インスタレーション、写真、絵画、立体と手法はさまざま。国立国際美術館(2025年11月1日〜2026年2月15日)からの巡回で、会場の特性にあわせて出品点数と一部作品が変更されています。会期は63日間、会場はギャラリーⅠ・Ⅱ。映像作品が多いため、所要時間の目安は90分〜120分です。
プラカードのためにはどんな展覧会?
美術家・田部光子(1933-2024)は1961年に「プラカードの為に」と題した文章を『九州派5』(1961年9月10日発行)に記し、「大衆のエネルギーを受け止められるだけのプラカードを作」り、その「たった一枚のプラカードの誕生によって」社会を変える可能性を語りました。過酷な現実や社会に対する抵抗の意思や行為、そしてそのなかに田部が見出した希望は、同年発表された作品《プラカード》に結実します。この文章は、作品が生まれるまでの思考の過程を語ったものであると同時に、社会の動きを意識して活動するひとりの美術家の宣言としても読めるものです。
本展は、この言葉と作品を出発点に、それぞれの生活に根ざしながら生きることと尊厳について考察してきた、田部を含む7名の作家の作品で構成されます。作家たちは、社会のなかで覆い隠されてきた経験や心情に目を凝らし、思考し、自ら実践することで、既存の制度や構造に問いを投げかけてきました。企画は国立国際美術館主任研究員の正路佐知子。主催は熊本市現代美術館、国立国際美術館、熊本日日新聞社です。
主な展示内容・注目の作品
- 田部光子《プラカード》(1961年):襖を支持体に、コラージュやキスマークを施した5点組の作品。3点が東京都現代美術館蔵、2点が福岡市美術館蔵で、三池争議や安保闘争、公民権運動、コンゴ動乱といった同時代の出来事が背景にあります。
- 田部光子《人工胎盤》(1961/2004年):妊娠初期のつわりの経験や、女性が社会で直面する不平等から発想された作品。1961年作は現存せず、熊本市現代美術館が2004年の再制作を所蔵しています。近年フェミニズム・アートの先駆的作品としても評価されています。
- 志賀理江子《風の吹くとき》(2022-2025年):宮城県での生活のなかで紡いだ言葉や抵抗となりうる行為をもとに、2022年制作の映像インスタレーションを新たに再編集したもの。写真作品2点もあわせて展示されます。
- 牛島智子《ひとりデモタイ 箒*筆*ろうそく》:不定形の和紙に詩や言葉を書き写した「変形和紙文字」を構成要素に、日々の生活と制作行為を重ねたインスタレーションです。
- 谷澤紗和子「ちいさいこえ」:陶紙で作られた小さな「プラカード」。ほかに「はいけいちえこさま」シリーズや《目の前に開ける明るい新しい道》も出品されます。
- 笹岡由梨子《Working Pig》(2026年):古いぬいぐるみから再生したブタが歌いながら、観客に労働の意味や構造を問いかける新作です。初期の映像作品とあわせて展示されます。
プラカードのためにの見どころ3選
- 時を超える声と実践:《プラカード》と《人工胎盤》は、1961年9月14日から19日に東京の銀座画廊で開かれた「九州派展」に出品された作品です。65年前の宣言がいまの6作家の仕事とどう響き合うかが、本展の骨格になっています。
- 《In-Mates》は熊本では上映会形式:飯山由貴が国立国際美術館で展示した《In-Mates》(2019年)は、熊本では会期中3回の上映会という形で公開されます。各回アフタートークが予定されており、常設の展示としては見られない点に注意してください。
- 7名の実践が交差する空間:作品が展示空間で交錯し、ときに干渉し、響き合うよう構成されています。個々の作家を追うだけでなく、重なりあうイメージや声のなかから何が立ち上がるかを味わう展覧会です。
あわせて訪れたい周辺スポット・館内カフェ
熊本市現代美術館は、熊本の中心市街地・上通町の「びぷれす熊日会館」3階にあります。無料で入れるホームギャラリー(美術図書館)にはジェームズ・タレルの天井照明《MILK RUN SKY》(2002年)とマリーナ・アブラモヴィッチの本棚《Library for Human Use》があり、階段下には草間彌生のミラールーム《INFINITY MIRRORED ROOM -早春の雨 2002-》、エントランスホールには宮島達男の光の柱《Opposite Vertical on Pillar - 133651 series -》が建築と一体で設置されています。企画展示室以外は無料なので、展覧会を見たあとにこの4点を回るだけでも時間を使えます。館を出れば上通・下通のアーケード商店街が続き、熊本城までも歩ける距離。アクセスは市電・バスの通町筋電停/バス停から徒歩1分、熊本駅からは市電またはバスで15分、阿蘇くまもと空港からは空港バスで40分です。
まとめ
会期は2026年11月29日まで。休館日は火曜日ですが、9月22日と11月3日は開館し、代わりに9月24日と11月4日が休館です。開館時間は10時から20時まで、展覧会への入場は19時30分まで。観覧料は一般1,300円、シニア(65歳以上)1,000円、学生(高校生以上)800円、中学生以下は無料です。カッコ書きの一般1,100円・シニア800円・学生600円は、前売/20名以上の団体/電車・バス1日乗車券等の提示に適用される料金で、前売券の販売は開幕前日の9月18日(金)までです。つまり会期が始まってからこの料金で入るには、団体か1日乗車券などの提示が必要になります。日時指定予約は案内されておらず、20時まで開いているので夕方以降のほうがゆっくり見られます。
所要時間は、展示の規模と内容から当サイトが見積もった目安です。 じっくり見る方や音声ガイドを利用する場合は、これより長くかかることがあります。 また、会期・開館時間・料金などは変更される場合があります。 おでかけの前に、必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
会場について
熊本市現代美術館(CAMK)
〒860-0845 熊本県熊本市中央区上通町2-3 びぷれす熊日会館3F
熊本市の中心街の複合ビル内にある熊本市現代美術館(CAMK)。ジェームズ・タレルや草間彌生の体験型アートが常設され、夜8時まで開館している市民の気軽な美の広場です。
美術館の詳細・アクセスを見る →熊本市現代美術館(CAMK)のその他の企画展
九州・沖縄で開催中・開催予定の企画展

熊本県立美術館開館50周年記念特別展 わたしたちのルノワール
熊本県立美術館
2026年7月18日 〜 2026年9月13日
終了まであと3日

企画展×福岡現代作家ファイル2026 山内光枝展 潮ノ記
福岡市美術館
2026年9月8日 〜 2026年12月20日

カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語
福岡市美術館
2026年10月17日 〜 2026年12月20日

Hello Kitty展 -わたしが変わるとキティも変わる-
長崎県美術館
2026年10月17日 〜 2027年1月11日

雜賀雄二と軍艦島―〈月の道―Borderland〉/〈軍艦島―棄てられた島の風景〉
長崎県美術館
2026年10月22日 〜 2027年2月7日

特別展「卑弥呼の鏡 ―三角縁神獣鏡がヤマト王権をつくった―」
九州国立博物館
2026年10月31日 〜 2027年1月11日